青藍メモ

青藍メモ

令和元年司法試験予備試験論文式試験の答案を晒すブログです。

一般教養 令和元年司法試験予備試験論文式試験

はじめに

青藍です。

予備試験の短答式試験・論文模試の結果と論文本試験の結果との相関関係について探るべく、私の再現答案を晒します。

短答・論文模試の結果等

総合

短答 191点(法律158、教養33、340番台)

塾 260番台/602人

辰巳 90番台/311人

一般教養

 

短答 33点

塾 60番台/602人

辰巳 0番台/311人 

再現答案(設問1:10行、設問2:22行)

第1 設問1

 現存の諸政府は複雑で不必要な制度を多く抱えており、それらの分析により社会の原理に到達することは極めて難しい。政府の適正領域について明確な観念を得るためには、問題を抽象的に考慮し、社会を原初的条件において想像し、そこから生ずる状況と要請を見る必要がある。社会の原初的条件においては、弱者が強者に支配され、最も有力な者も、いずれ力を合わせた弱者の復讐を受ける。そのため人々は、共同体の利益も自分個人の利益も共通の保護の絆に入れ、仲裁権力を他に移譲するようになり、共同体の要請から政府が自然発生する。この共同体の要請とは、正義の執行、即ち人身や財産の保護といった人間の自然権の保護であり、政府の役割もそれに限られるべきである。なぜなら社会には自己調整原理が存在しており、共同体の行動すべてを立法によって規制することは、苦しみと混乱をもたらすからである。

第2 設問2

 私は、本文における著者の主張は、現代の社会においては妥当しないと考える。以下、「教育」をテーマとして論ずる。

 著者は、政府の役割は正義の執行、即ち人身や財産の保護といった人間の自然権の保護であり、それが共同体の要請であるから、政府はそれ以外の部分、例えば教育についても介入すべきでないと主張する。

 しかし、現代においては、1840年代前半と比べて、大きく状況が異なっている。印刷技術や交通インフラ、特筆すべきは情報通信技術の著しい発達により、1840年代前半と比べ、人々は膨大な量の情報と日々接することを余儀なくされる。そこでは、読み・書き・算術はもちろんのこと、外国語や情報通信端末の使い方にも習熟していることが当然となっている。仮に、政府が教育について一切介入しないとなると、子弟への教育は家庭において行われることになる。そうすると、教育にお金をかけられる裕福な家庭の子弟とそうでない家庭の子弟との間に圧倒的な教育格差が生まれてしまう。教育格差は、そのまま弱者と強者の関係となって社会に現れ、著者のいうような社会の「原初的条件」に逆戻りしてしまう。このような「原初的条件」の状態は、著者の主張する通り、共同体の要請でないことは明らかである。

 したがって、今日においては「教育」についても政府が介入し、教育格差を是正することが共同体の要請である。よって、政府の役割は、正義の執行のみならず、「教育」についても及ぶものと考える。 以上

現場での思考

塾や辰巳の模試と比較して、とにかく本文が読みにくいと感じました。

いかにも海外の哲学書を日本語に無理やり翻訳しました、という感じでした。

設問1

「政府の適正領域」は社会の「原初的条件」における「共同体の要請」即ち「正義の執行」に限られ、これ以外の部分について政府は介入すべきでないという点をコンパクトにまとめることが求められていると思いました。

設問2

テーマは「教育」が書きやすそうだったので、「教育」にしました。

著者の主張する政府の適正領域は現代社会においても妥当するのか、

仮に妥当しない(する)とした場合、それはなぜなのかという点を論述する必要があると思いました。

教育格差により生じる弊害を示しつつ、現代では政府が教育に介入しないと世の中回らなくなりますよという趣旨の論述をしました。